ものづくり補助金 不採択

この記事を執筆している現在は、平成30年度補正のものづくり補助金の公募が予告されたばかりです。

これから、ものづくり補助金の準備に取り組もうと考えておられる事業者さまも多いことと思います。

わたしのところにも、すでに前回不採択だった事業者さまから、今回リベンジしたいとのお問い合わせをいただいております。

そこで今回は前回、残念ながら不採択だった事業者さまが今回採択されるにはどうすれば良いか書いてみたいと思います。

はじめに

前回のものづくり補助金の二次公募の際、ある事業者さまから相談がありました。

これまで自分で計画を作成し、何度か応募したけれども、いずれも不採択になってしまった。何とか採択してもらって計画を実現したい、とのことでした。

わたしは過去の事業計画を拝見させていただいた上で、書類作成をご支援しました。すると、見事、一発で採択となりました。

このようなケースはしばしばあるのですが、一体、それまで応募されていた事業計画書とはどこが違ったのでしょうか?
ここでは、過去のたくさんの経験の中から、よくある間違えや改善ポイントを4つに絞ってご説明したいと思います。

開発の課題は何か?

まず、不採択だった計画書では、「開発の課題」が不明確なケースが多いです。
ものづくり補助金の公募要領では、審査対象外となるケースを明示しています。
たとえば、以下の事業は不採択になると明記されています。

・事業の主たる課題の解決そのものを外注又は委託する事業
・試作品等の製造・開発の全てを他社に委託し、企画だけを行う事業

このことは逆に考えると、事業の主たる課題を、自社内でいかに解決するかを記載することが重要ということです。

採択される計画書を作成するためには、事業を実現するためにクリアしなければならない技術的なハードルを明確にし、クリアするために補助金の力が必要だということをわかりやすく示さなければなりません。

さらに、他社に委託したり外注するだけでなく、自社内でどのような開発を行うかを記載しなければなりません。

革新的な開発かどうか?

次に不採択の要因として考えられるのが、自社の強みをアピールできていないという点です。

もし技術的なハードルをクリアすることができたなら、業界内での差別化や競争力強化につながるでしょうか?

審査する専門家は、業界に熟知した方であるとは限りません。

これまでの自社の実績や、今回の開発を企図した背景などを丁寧に説明しながら、技術的なハードルをクリアすることがいかに革新的かを示さなければなりません。

不採択となってしまう事業計画書は、知識が専門的(高度)すぎて説明不足のために審査員の方にうまく伝わらないケース、あるいは、開発の背景や実績などを記載しておらず革新性がアピールできていないケースが多いです。

先端設備導入計画・経営革新計画を取得しているか?

先端設備導入計画・経営革新計画いずれかの認定を取得した場合、補助率を1/2から2/3へアップできるだけでなく、審査時に加点を得ることができます。

申請までに時間がないがために準備できずに不採択になってしまったという事業者様も多いのではないでしょうか。
申請までに万全の準備をするとともに、これらの計画の認定を必ず受けるようにしましょう。

平成30年度補正予算の公募においては、先端設備導入計画ならびに経営革新計画は、平成30年12月21日以降に申請し認定を取得した場合(応募段階で申請中を含む)に限られるようですから、なおさら申請できる事業者様は申請することをおすすめします。

公募要領に沿っているかどうか?

これまでご説明してきたことは、全て公募要領に記載されていることです。

公募要領に記載されている審査のポイントを読み込み、
技術面、事業化面、政策面において、審査員にわかりやすくアピールできているかどうか、もう一度見直してみることが大切です。

この時できるだけ第三者の視点でチェックすることをオススメします。
計画作成した社長ご自身でチェックしてしまいますと、見落としがあったり、主観的なバイアスをかけて見てしまう場合があります。

まとめ

以上、
今回は、不採択だった計画をリベンジして採択されるためのポイントとして次の4つの項目についてご説明しました。
・開発の課題は何か?
・革新的な開発かどうか?
・先端設備導入計画・経営革新計画を取得しているか?
・公募要領に沿っているかどうか?

「以前、このような計画で不採択だったがリベンジできるだろうか・・?」というようなご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。