一人当たり営業利益イメージ画像


「経営力向上計画」を作成する際には、さまざまな経営分析指標を活用することが求められます。そこで「経営力向上計画」作成に役立つ経営指標として、今回は「一人当たり営業利益」について解説します。

目次

  • 一人当たり営業利益の計算方法
  • 一人当たり…」で計算する他の指標

一人当たり営業利益の計算方法

前回の記事(経営力向上計画作成に役立つ経営指標(2)営業利益率とは?)において、売上高が増えても、営業利益が増えなければ意味がないことはお分かりいただけたと思います。ここでは、さらに細かく考えてみましょう。

<例>
企業Aは、前年度の営業利益が4,000万円、今年度が6,000万円でした。また、前年度・今年度とも従業員数は10人です。このとき、前年度と今年度の収益性はどちらが高いでしょうか?

一人当たり営業利益は、従業員一人当たりどれくらいの営業利益を生み出しているかを表す指標であり、次のように計算します。
$$一人当たり営業利益(円)=\frac{営業利益}{従業員数}×100$$

先ほどの例でいえば、
$$前年度:\frac{営業利益4,000万円}{従業員数10人}×100=400万円$$
$$今年度:\frac{営業利益6,000万円}{従業員数10人}×100=600万円$$

となります。従業員数が変わらない状態で、営業利益を1.5倍に増やしていますので、今年のほうが収益性は高いといえます。

「一人当たり…」で計算する他の指標

「一人当たり…」で計算する指標には、次のようなものもあります。

・一人当たり売上高
$$一人当たり売上高(円)=\frac{売上高}{従業員数}×100$$
・一人当たり売上総利益
$$一人当たり売上総利益(円)=\frac{売上総利益}{従業員数}×100$$
・一人当たり経常利益
$$一人当たり経常利益(円)=\frac{経常利益}{従業員数}×100$$

まとめ

上でご説明した計算式は、全従業員の労働時間が等しいことを暗黙の前提にしています。アルバイト・パートの従業員が多い企業は、「一人当たり…」ではなく、「一労働時間当たり…」の値を求めて比較することをおすすめします。