
みなさんは国際オリンピック委員会総会での日本のプレゼンテーションをご記憶でしょうか?
「お・も・て・な・し、、、おもてなし」
というスピーチが流行語になりましたよね。
2020年の東京オリンピックで海外のみなさんを「おもてなし」したい!
そんな国家を挙げてのおもてなし精神。
このおもてなし精神を東京オリンピックが始まる前から発揮していこうという動きがあります。
それが、「おもてなし規格認証」です。
この「おもてなし規格認証」、初めて聞いた方も多いと思います。
といいますのも、この制度は2016年8月から新たに始まった制度だからです。
おもてなし規格認証制度とはどんなものなのでしょうか?
どういった背景で作られ、どうやったら認証してもらえるのでしょう?
認証してもらうとどんなメリットがあるのでしょうか?
こういったさまざまな疑問にお答えするため、今回はおもてなし規格認証についてご紹介していきます。
おもてなし規格認証制度の取り組みの背景
ところでみなさん、日本のGDPのおよそ75%がサービス産業によるものであることをご存知でしょうか?
「おもてなし規格認証制度」は、この大きなGDPの源であるサービス産業全体の活性化を図ることが狙いとなっています。
もちろん「おもてなし」という名前のとおり、この認定制度の主旨の一つはオリンピックに向けたサービス向上です。
しかし、それだけが目的ではありません。
そのため、海外向けのサービスだけでなく、そのほかのさまざまなサービス事業者がこの認定制度を受けることができるのです。
この制度は、経済産業省が先導し、一般社団法人サービスデザイン推進協議会が認定を行っています。
経済産業省は「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」への応募とともに、この規格認証を取得することを推進しています。
さらにIT導入補助金(平成30年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業)では、審査時に加点が受けられることにもなりました。
このように「おもてなし規格認証」は、サービス産業の活性化のための新しいステップになっているのです。
おもてなし規格認証の評価項目
「おもてなし規格認証2016」では、
- 顧客満足
- 従業員満足
- 地域社会の満足
の3つの視点からサービスの質を評価しています。
顧客満足だけでなく、従業員満足・地域社会の満足にも配慮しているところがポイントですね。
具体的には、サービスの質に関する以下の取り組み、
- 情報提供に関する取組
- 設備に関する取組
- 職場などの環境改善に関する取組
- 業務の改善に関する取組
- ツールの導入・用意に関する取組
- 顧客理解・対応に関する取組
- 人材教育・育成に関する取組
について評価します。
より具体的には、これらの取り組みについての30項目の「規格項目」によって評価します。
そのうちの15項目を満たせば、認定される仕組みとなっています。
おもてなし規格認証の登録方法
登録・認定は無料ですし、むずかしい手続きもありません。
サービス向上を目指す事業者のみなさまはぜひ登録されることをおすすめします。
「おもてなし規格認証」のトップページ
から登録することができます。
評価項目についてのチェックシートに自己申告で回答していきます。
サービス向上のためにすでに取り組んでいる内容だけでなく、これから取り組んでいきたい内容もチェックしていきます。
自己申告の結果、あてはまるものが15項目を満たせば認定してもらうことができます。
おもてなし規格認証を受けるメリット
さらにIT導入補助金の応募審査時に加点が受けられます。これを目的に規格認証を考えている方も多いかもしれません。しかしこれだけがメリットではありません。
おもてなし規格認証されたサービス事業者には、登録証・認証マークが付与されます。
この認証マークは店頭に掲出することもできます。
ほかにも、自社サイトに掲載している事業者も増えてきています。
このようにして、日頃のサービス向上の努力を顧客に対してアピールすることができるのです。
また、チェックシートに回答してみることで、御社のサービスの改善点を見直すよいきっかけにもなると思いますよ。
まとめ
今回は、おもてなし規格認証についてご紹介しました。
この認証制度は、日本経済を背負うサービス産業の活性化を狙った新しい取り組みです。
東京オリンピックに向けてサービス業界における仕事の質を「見える化」していく試みももちろん大切です。
しかし、それだけにとどまらず、顧客満足、従業員満足、地域社会への貢献といったサービス事業全体を改善していくきっかけになるのではないでしょうか?
登録・認定を受ければブランディング力の向上にもつながるでしょう。
サービス業を営んでおられるみなさまは、ぜひ認証にトライされることをおすすめします。