営業利益率


「経営力向上計画」を作成する際には、さまざまな経営分析指標を活用することが求められます。そこで「経営力向上計画」作成に役立つ経営指標として、今回は「営業利益率」について解説します。

目次

  • 営業利益率の計算方法
  • 円グラフで比較すると…
  • 収益性に関する他の指標

営業利益率の計算方法

前記事では、売上規模だけが企業や事業の良し悪しを決めるわけではないことをお伝えしました。それは、営業利益についても同じことです。

<例>
企業Aは、前年度・今年度ともに営業利益が4,000万円でした。しかし、前年度の売上高は1億円、今年度の売上高は2億円です。
このとき、前年度と今年度の収益性は同じと考えて良いのでしょうか?

営業利益率は、営業利益が売上高に占める割合を表す指標であり、次のように計算します。
$$営業利益率(%)=\frac{営業利益}{売上高}×100$$
先ほどの例でいえば、
$$前年度:\frac{営業利益4,000万円}{売上高1億円}×100=40%$$

$$今年度:\frac{営業利益4,000万円}{売上高2億円}×100=20%$$

となります。前年度のほうが高いですね。前年度は4,000万円の営業利益を稼ぐのに、1億円の売上高でよかったのですが、今年度は2億円売り上げてようやく同じ営業利益に到達しているので、前年度のほうが収益性は高かったということがいえます。
営業利益の“額”だけで判断せず、“比率”を計算して比較しなければならないということですね。

円グラフで比較すると…

営業利益率グラフ

円グラフで比較すると、ひと目でわかりますね。
そもそも、営業利益とは本業によるもうけを表す数値です。そのため、営業利益率は、最も基本的な指標の一つであるといえます。

収益性に関する他の指標

収益性を測る指標は他にもあります。参考までに、少しだけご紹介しておきましょう。
・売上総利益率(売上高売上総利益率)
$$売上総利益率(%)=\frac{売上総利益}{売上高}×100$$
いわゆる「粗利率」です。仕入がいらないサービス業などは、製造業や小売業・卸売業に比べてこの値が高くなります。

・経常利益率(売上高経常利益率)
$$経常利益率(%)=\frac{経常利益}{売上高}×100$$
経常利益とは、営業利益に預金の利息や借入金の利息を加減したあとの利益です。経常利益率がプラスで安定してくれば、事業は軌道に乗ったといえます。

まとめ

繰り返しになりますが、営業利益率は、収益性を判断するために最も基本的な指標です。もちろん、経費を削減すれば営業利益率は上がりますが、人件費の過度な抑制は従業員のモチベーションを下げかねません。人件費以外の経費削減と売上増加を目指しましょう。