「経営力向上計画」を作成する際には、さまざまな経営分析指標を活用することが求められます。そこで「経営力向上計画」作成に役立つ経営指標として、今回は「売上高増加率」について解説します。

目次

  • 売上高増加率の計算方法
  • 翌年度も同じ比率で増加すると…
  • 売上高増加率を計算する意義とは?

売上高増加率の計算方法

資産規模や売上規模は、企業によって違います。もし、「売上高100億円の企業Aと売上高1億円の企業Bのどちらが優れているか?」と問われれば、売上高100億円の企業Aのほうが優れているように感じるかもしれません。

しかし1年後、企業A・企業Bともに売上高が1億円増加したとしたら、より将来性があるのはどちらでしょうか?

売上高増加率は、今年度の売上高が前年度に比べて何%増加したかを表す指標であり、次のように計算します。
$$売上高増加率(%)=(\frac{今年度売上高}{前年度売上高} -1)×100$$
先ほどの例でいえば、
$$A社:(\frac{今年度売上高101億円}{前年度売上高100億円} -1)×100=1%$$
$$B社:(\frac{今年度売上高2億円}{前年度売上高1億円} -1)×100=100%$$
となります。1億円の売上増加は、A社にすれば1%の増加に過ぎませんが、B社にすれば100%の増加、つまり倍増したことになるのです。

翌年度も同じ比率で増加すると…

A社売上高の推移グラフB社売上高の推移グラフ

もし、翌年度も同じ比率で増加すると、各社の売上高は、
 A社の売上高:101億円×(100%+1%)=102.1億円
 B社の売上高:2億円×(100%+100%)=4億円
ですね。

B社の売上高はなんと2年で4倍(4億円)に!しばらくは増加傾向が続きそうな気がしますね。逆に、1%ずつしか伸びていないA社は、もしかしたら次の年度に減少へ向かうかもしれません。
このように、“売上高の持続性”を判断するのが売上高増加率です。

売上高増加率を計算する意義とは?

・収入の見通し
当たり前ですが、売上高は企業にとって最も重要な収入源です。この収入源が持続的に増加していけば、次の設備投資に必要な資金も自前で賄うことができます。

・企業の成長ステージの判断
A社の数値が低いからといって、悪いわけではありません。単に、増加のスピードが遅いだけです。これは、A社の事業が成熟期に到達したことを表しています。一方、B社は成長期の真っただ中にあるといえるでしょう。

売上高増加率は、財務分析の第一歩です。ぜひ過去3~5年分の推移を確認することから始めてみませんか?